新建築住宅特集1994年10月号掲載のFK邸は、当社の住宅作品の中でも特別の意味を持っています。
「普通のいえ」であることと「街並みをつくる」建築であることを提案しましたが、10年近くメキシコの住宅地で過ごされたオーナーが受け入れてくださった幸運もあって、その年の日本建築士連合会優秀賞を受賞した作品だからです。
老母ひとり、息子4人家族そして娘4人家族の為の三世帯住宅として建てられましたが、この20年の間に老母ご逝去、子ども達の就職、結婚、出産、海外転勤と住まい手の状況は変化し続け、何回かの修繕やリフォームを行って対応してきました。
しっかりと出来た「普通のいえ」は強い。これが設計者の実感です。当時は二酸化炭素削減やらシックハウスなど、今日ほど問題視されていなかったはずですが、欧米の石造りのいえが何百年も持続するように、しっかりと造ったシンプルないえは、そのまま環境適合住宅だといえるのだと思います。
これからも「成長変化するいえ」づくりを続けようと思います。