住宅への想い -私が住宅設計にこだわるわけ

1995年ころの心境

■住宅設計にあたっての考え方
「住宅設計は建築の原点である」という恩師の教えを大切に住宅設計を続けています。
日常的には様々な建物の設計やまちづくりのコンサルティング等を通して、
「日本のまちを美しく住みやすく」することが建築家の役割と考えていますが、
一軒の住宅を完成させる緻密さとヒューマン性がまちづくりにも必要であり、 かつ有効なのです。
住宅を設計するということは、住み手との出会いから始まり、竣工、そして改修改築にいたるまで、
建築家とオーナーとの対話であり、人生のドラマです。
ある時は闘いでもあり、より良い生活空間を求める文化行為だと思います。
個人に個性があるように住宅にもそれぞれの個性が必要ですが、
それは住み手と建築家の共作でなければなりません。
したがって私の個性を強調するのではなく、
徹底した会話により個人と環境に合致した個性的な家づくりを心掛けています。
これまで世界中の様々な住宅を経験してきました。
地球の裏側のブラジル奥地にまで住宅を作ってきました。
世界的にみて我が国の地価は高すぎます。
周辺環境も理想とはほど遠い事でしょう。
貴方の貴重な土地を活かし、周辺とも調和した住宅を完成させるには、
多くの専門的経験と思い切った発想の転換が必要です。
なによりも「地」と「人」に合った住宅であるべきと考えています。

■自己紹介(自分のこと、家族のこと、趣味その他のこと)
東京オリンピックのころ急激に変わり始めた東京のまちで、
建築家という存在を知り自分もなりたいと思いました。
30年修行しろと教えられてあっという間に50になりましが、今尚修行中です。
特に住宅設計は奥が深く一生勉強です。
建築は自分にとって仕事というより好きな趣味のようなもので、仕事漬けの毎日ですが、
10年間のブラジルでの生活体験から、家族の大切さや文化的活動の重要性も会得しました。
出来るだけ家族と旅行をして世界中のまちや人々の生活を知ることは建築活動の栄養源でもあります。
暇を見つけては、ヴァイオリンとヴィオラを音楽仲間と弾いています。
「弦楽四重奏が音楽の原点」といわれますが、
住宅のように凝縮された、かつ総合的な芸術表現だからでしょう。
住宅を年に一軒程度完成させるように、年に一回弦楽四重奏のコンサートを開いています。